上野焼

※情報は随時更新します(更新日:2026/2/13)

起源と歴史

上野焼は、400年以上の歴史を持つ福岡県を代表する陶器です。

  • 始まり
    1602年、小倉藩主(細川忠興)が、朝鮮から随行した陶工(尊楷(そんかい)/後の上野喜蔵高国)に命じて、豊前国上野(現在の福岡県田川郡福智町)に登り窯を築かせたのが始まりです。
  • 遠州七窯
    江戸時代中期、徳川将軍家の茶道指南役であった小堀遠州が、自身の好みに合う茶器を作る窯として選定した「遠州七窯」の一つに数えられ、その名は全国に知れ渡りました。
  • 衰退と復興
    明治時代の廃藩置県により藩の支援がなくなり一時衰退しましたが、1902年(明治35年)に田川郡の補助を受けて復興を遂げました。

特徴

上野焼の最大の特徴は、茶陶として発展したことによる「薄づくり・軽さ・上品さ」にあります。

  • 薄づくりと軽量感
    「茶陶」として発展したため、他の陶器に比べて非常に軽く、薄手であることが最大の特徴です。
  • 多彩な釉薬
    使用する釉薬の種類が非常に多く、緑青(ろくしょう)、鉄、藁白、銅、飴、紫蘇など多岐にわたります。
  • 絵付けをしない美しさ
    装飾として絵を描くことは少なく、主に釉薬の重なりや流れ方、窯変(ようへん)による色彩の変化で表現されます。
  • 撥高台(ばちこうだい)
    器の底にある「高台」が、三味線の撥(ばち)のように裾広がりの形をしているのも、上野焼特有の形状です。

主な工芸品

  • 茶道具
    茶碗、水指、花入など。格調高く、小堀遠州好みの洗練された形が今に伝わっています
  • 生活用品
    皿、鉢、カップ、酒器など。軽くて扱いやすいため、実用性に優れています。
  • 特殊な装飾
    木目(もくめ): 二色の土を使い木目模様を出す技法。
    虫喰釉(むしくいゆう): 表面に粒状の虫食いのような跡が出る独特の肌合い。
    三彩(さんさい): 一つの器に三種の釉薬を施したもの。

魅力

上野焼の魅力は、「格調高さ」と「自由さ」が同時に存在している点にあります。

  • 茶の湯が育てた品格
    千利休・小堀遠州の美意識の流れを汲み、
    派手さではなく、静かで洗練された美をもつ。
  • 圧倒的な表情の幅
    釉薬の多さと窯変によって、
    同じ形でも二つと同じ表情にならない
  • 薄づくりが生む感覚的価値
    軽さ、口当たり、手触りといった
    五感に訴える心地よさ

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