※情報は随時更新します(更新日:2025/10/29)
起源と歴史
1780年、四国八十八カ所霊場の巡礼に訪れた大分の焼き物職人・文右衛門が、現在の徳島県鳴門市大麻町(旧・大谷村)で初めてろくろ細工を披露したのが始まりとされています。
その後、藩による窯が築かれましたが、短期間で閉窯。1784年に藍商人の賀屋文五郎(笠井惣左衛門)が信楽焼の職人を招き、弟の平次兵衛に陶業技術を学ばせて登り窯を築きました。これが今日まで続く大谷焼の本格的な始まりとされています。
特徴
大谷焼の最大の魅力は、素朴ながらも力強い質感です。
地元・大谷地区で採れる土は鉄分を多く含む粘土質で、焼き上がると深いこげ茶色や灰色、銀色の光沢を帯びた風合いになります。ざらりとした手触りと重厚感のある見た目は、まさに「土の味わい」を感じさせます。
- 独自技法:寝ろくろ(ねろくろ)
身の丈ほどもある甕(かめ)や睡蓮鉢などの大物陶器を製作する際に用いられる、独特の成形技法です。二人一組で行い、一人が成形を担当し、もう一人が作業台の下に寝ころび足で蹴ってろくろを回します。 - 登り窯(のぼりがま)
作品を焼くために使われる登り窯は、日本でも最大級の規模を誇ります。窯の内部で炎がゆらめきながら作品を包み込み、部分ごとに異なる焼き色や質感を生み出します。これにより、ひとつとして同じものがない唯一無二の表情が生まれます。
主な工芸品
- 藍甕(あいがめ)
徳島名産の藍染に欠かせない染料を仕込むための大甕。 - 水甕・睡蓮鉢
庭園や屋外装飾に使われる大物陶器。 - 日用雑器
湯呑み、茶碗、皿など。近年はモダンデザインの器も増加。
魅力
酒器は精巧なろくろ技術により、しっかりとした質感と適度な厚みがあり丈夫で、汚れにくいという特徴を持ちます。また、阿波の土の温かみと、独特の釉薬の色合いが食卓に落ち着きと趣を与えます。シンプルな形状のため、和洋問わずどんな料理にも活躍し、長く愛用するのに適しています。


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